認知症予防のポイントを知る

~介護の現場に欠かせない認知症予防のノウハウとは~

回想法を用いた会話は、認知症の予防に効果的

認知症を予防するには音読・計算・塗り絵をはじめ様々な方法があるが、特に高齢者とコミュニケーションを取ることが有効的な方法である。単純にコミュニケーションを取るだけでなく、回想法を使用すること効果的なのだ。

回想法とは、高齢者自身の記憶を遡り、昔のことを思い出してもらいながらコミュニケーションを取る方法で、その人が興味を示したり、会話が弾む内容であったりすれば、どんなことでも構わない。子育てを頑張った人であれば童謡や子育ての苦労話。また、仕事の話や家族の話、ペットの話などでも構わない。高齢者自身が自分からどんどん話してくれるような内容を探すことが重要になる。認知症になると自分から昔のことを思い出すことが難しいので、こちらから思い出すためのヒントになる言葉を投げかけていくと、スムーズに昔の記憶が蘇ってくるだろう。

回想法はどんな高齢者にも有効な方法で、音読や塗り絵などに全くやる気を示さない高齢者でも簡単に取り組むことができる。回想法を使って話をするだけで認知症予防につながるので、多くの介護施設で実施されている。しかも、介護スタッフと高齢者との会話を弾ませ、信頼関係を築くのにも役立つのメリットもある。会話をし、コミュニケーションを取ることで唾液がたくさん分泌され、嚥下の訓練にも効果的。どんなケアも、高齢者自身が心地良く感じることが一番重要である。訓練をする前にその目的と効果を事前に話すと、高齢者が更にやる気を出すことだろう。